泣いたって始まらない
父親と母親は心配になって、病院に行く事にした。診断の結果、物が見えていない可能性が高いと言われた。父親と母親はショックのあまり、夜な夜な泣いた。けれど、父親と母親は諦めなかった。なぜなら、ドクターから、貰った目薬が、優一の希望だったからだ。
(彼が生まれたのは、1985年頃。彼の家は貧乏であったため、手術するお金がなかった)
父親と母親は、彼のために、毎日、目薬を差した。何日も何日も・・・。
そして、一ヶ月が経ちました。目の検診のため、父親と母親は、彼を病院に連れて行きました。ドクターは彼の視力を検査するため、目にライトを当てます。そして、ドクターの言葉に、父親と母親は、ショックで泣きました。来る日も、来る日も。
けれど、どんなに悲しく、どんなに辛くなっても、父親と母親は、彼のために目薬を指しました。何度も、何度も。
やがて、2年の歳月が経ちました。父親と母親は、目薬を指すのを諦めました。
どんなに頑張っても、報われない努力はあります。どんなに彼のために、目薬を差したくても、ドクターはもう、やめた方がいいと言いました。
私は、父親と母親から、彼の話を聞いた時、泣いてしまい、思わず、口にだしてしまいました。
「兄さんは赤ん坊の頃、目が見えなかった」
作品名:泣いたって始まらない 作家名:セテゥンタ