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霊體現象使い

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霊體現象により地方都市の神職へとトランスフォームした私はタクシーにのってもやはり驚愕するばかりであった。タクシー運転手は微塵も自分の運転が悪いとは思っていなかったようなので神職として驚愕活動を行うのは当然のように思われた。大声でタクシー運転手を意味不明なくらいに言葉で捲し立てた。社内でも専らの噂になっているマヤザキ君の不倫はタクシー業界にも一代旋風を巻き起こしたようで、私も旋風とは不倫のことであるとは知っていたが、背後でシンバルをならされるのは堪忍ならなかったのでタクシー運転手の首にしめかかり間矢崎くんのことをわるくいうのはやめろと思わず正義漢に変貌しまった。

私は後にその事について貨客船なら沈没するところだがタクシーなら交通事故ですむからその方がスマートと思われたなどと解述したらしい。軟酥の法で日頃の禅病体質を打破した私は空も飛べるかのように軽やかにマンホールに落ちて身体は地底界の住人になったが精神は軽やかに浮遊して今は落ち着きをはらった様子であった。霊體は五寸釘を打てるかという問いかけに親切に答えたつもりである。同僚のことを思うと切なく息もしづらくなりいてもたってもいられなくなり、藁人形と蝋燭とトンカチを買ってきた。結論としては不可能であった。生きた人間の眉間にゴボウを打ちこむくらいの力が霊體の筋力限界なのである。

しかしゴボウ価変動性が導入されてからゴボウ価格の異常な高騰は予断を許さない状況であり、ゴボウを持ってるとやはり人から異常に尊敬されるのだろうかと思ったらそうでもなかったりするし、せっかくゴボウを買ってもゴボウは生ものだから腐るのである。どうにも浮き足だった生活を強いられている。
作品名:霊體現象使い 作家名:nekopoo