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セテゥンタ
セテゥンタ
novelistID. 44095
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猫のアパート

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「おはようございます、大家さん」
「あら、田中さん。おはよう」
アパートの管理人であり、掃除好きのおばちゃんが、いつものように、掃除をしていた。

「ちょっと、田中さん?知ってる?301号室の紫さんのとこ、最近、猫の鳴き声がするのよ」
「でも、私、いい大家だから、なんだか言いづらくて・・。でね、私、この前みたのよ。猫を」

「どんな猫だったんですか?」

「たしか、白だったわ。後、首に青いリボンを巻きつけてたわ」
その言葉を聞いた瞬間、俺の胸の束縛が時離れた感覚だった。俺の足取りは会社ではなく、301号室へと向かっていた。

『ミケ・・・!ミケ!ミケええええ!』心の声は、口に飛び出す気持ちだった。ミケに会いたい。会ったら、俺の家に戻って来い!と言ってやろうと決めていた。もちろん、言葉が通じるわけではないのだが。

高鳴る鼓動を胸に抑えて、俺は、301号室のチャイムを鳴らした。
作品名:猫のアパート 作家名:セテゥンタ