戻らない時間【詩集4】
幻の海
とおい潮騒が聞こえる
それは海という名の
見たことのない幻の世界
どこまでも続く果てしない湖だというものもいる
あるいはそれは世界の果てなのだというものも
どこまでも広くどこまでも青く
見たこともないほど深い
それは果てしもなく大きな水たまりなのだという
ざわざわと風が波を呼び
白くさざめく波の間に
海鳥が遊ぶ
きらきらと輝く海の面に
銀色のうろこの魚がはねるという
真っ白な帆をかけた船で
どこまでもどこまでも行こう
世界の果てまでも
まだ見たことのない世界
とおい海
果てしないあこがれと
夢の向こうへ
作品名:戻らない時間【詩集4】 作家名:maki