言の寺
暗闇の温度
瞑らなくても暗い部屋
宙を泳ぐ瞳
私を置き去りにして……
手が届く範囲の闇を
かき消してしまおうと
藻掻きながら貴方を想う
それが唯一の自由
飲みかけのペットボトルに
当たりをつけて手を伸ばせば
街灯の光
壊れた私を浮かばせる
静寂が私を殺そうとしているよ
羽のない蝶はどう生きればいい？
無様に這いつくばって生きる
それでも私は構わない
貴方に辿り着くのであれば
この部屋の暗がりに
貴方降臨してください
取り留めのないイメージの浮き沈み
肉球の無い猫が鳴いている
電線が殺した雀の数
延滞されたDVDが持つDNA
明日着ていく服の憂い
灯りを付けようとする愚かさ
この部屋には私しかいないのに……
目覚ましをぶっ殺してから眠ろう
明日は起きたくない
我儘が私なの
この暗がりに沈んだ肉体
その奥で泣いている少女
それが私
誰か迎えに来て
私は闇に蹂躙されて
古傷を全開にしています
涙は透明な血液
貴方は半透明の独裁者
私を裁くことのできる
ただ独りの人……
ただ独りにしないで……
独りにしないで……
私を……
助けてお願い……
寂しさが私を……半殺しにしたの