言の寺
僕は嘘を履き直した
明日の天気を占って
ふっ飛ばしたシューズ
もう日が暮れた公園の
芝生のどっかに飛んでって
行方不明になっちゃった
あの時一緒に探してくれたね
でもってなかなか見つからないもんだから
公園に訪れていた青黒い闇の中を
片足が不自由になってしまった僕を
ブランコに残して君
勇々と闇に消えて行った
そうして君が見つけてくれて
僕はケンケンで君の叫びのする方の
闇にジャンプして行ったんだ
二人でさぁ
片っ方のシューズ見ながら
何となく笑ったの
覚えているかい?
ねぇ
あの時さ
あの幼い闇の中で
君は嘘を吐いたんじゃないかい?
僕の靴を真っ直ぐに直して
「明日はきっと晴れだって」
だって
あの年の遠足は
雨に降られてしまったから……