言の寺
甲は乙を愛している
甲は如何なる時であっても乙の利益を優先する
甲は如何なる見返りも必用としない
甲は何人たりとも乙に危害を加える者を許しはしない
甲は乙に対して 憲法で保証されている権利以上のものを与える
「甲は乙の為に存在している」のだがそれは「乙が甲の為に存在している限り」といったような特定の条件下においてのみならず昼夜問わず常にである
甲は乙に対して生涯の契約を結びたいと考えている
甲は月収3ヶ月分に相当する貴金属を贈呈するつもりだが乙にはそれを拒否する権利がある
上記の貴金属は甲が乙と生涯契約を結ぶために契約の不履行が為されぬよう その担保として贈呈される
甲と乙の契約は甲が乙に口頭で意を伝えることにより仮契約として成立する
甲は都心部の夜間照明が観察される山間部もしくは港湾または浜辺などにおいて仮契約を結ぶことを想定している
甲と乙の生涯契約は継続的な関係を基礎とした社会的経済的結合であると定義される
甲は某年某月某日未明乙に契約を申し出た
乙は甲の述べる口上を聞き落涙して頷いた
乙の口頭による返答は為されなかったが契約は成立したとみなされる
乙の目に涙が浮かんでいる時には甲の目にもそれが見られる場合が多い
乙の落涙につられ甲も落涙したが暫くして甲と乙は笑いあった
時を経るごとに甲と乙の結びつきは深くなるだろう
契約後 甲と乙が交わって生まれたものを丙とする 甲は丙に対しても乙同様に無償の奉仕をする義務が発生する
甲と乙は契約による結びつき以上の筆舌に尽くしがたい繋がりを以って結ばれている
契約は生涯と言わず永遠に続くものとみなされる
永遠とは文字通り永遠である
以下
甲と乙は一つとなった