ログラス
第一話
「・・・・おいおいおい!?なんだよこれ?!」
朝、目が覚め、窓をふと見ると。そこにはいつもとは違う世界が広がっていた。
口がある岩。三つ目の鳥。見たこともない植物。
-----あれ?俺の名前は?
なにがなんだかわからない。
とりあえずドアを開けてみよう。
・・・・!!
目の前には宝箱みたいなものが置いてあった。
パンドラの箱?と、いうのだろうか。
まさにそんな感じの箱だ。
「なんだこれ」
とりあえず開けてみようかな。?
そう思い、箱に手を触れた瞬間。
「ぅ・・・・ぅわああああああ!!!!」
・・・・なんだこれ!!
右手に、・・・模様?
蛇みたいな模様だ。
・・・・って、冷静に考えてみろ。
なんだこの状況。
朝目が覚めて、箱開けて、・・・・そんで右手には模様が入って。
まるで、ファンタジー漫画じゃないか。
もうだめだ、頭がおかしくなる。
外に出てみよう。
階段を下りる。
そういえば、まったく名前が思い出せない。
家は覚えている、自分の顔や体もわかる。
ただ・・・・。名前が。
階段を下り、玄関のドアに手を付け、思い切って外に出る。
そこにはやはりさっき見た、光景が広がっていた。
【・・・ドドドドドドド】
「・・・・・え、ええええ!?」
なんか来たぞ!?
鳥みたいな・・・・っつかでかくね!?
軽く3メートルは超えてるだろ?
【ぐぉぉおおおおんっ】
鳥はこちらに向かって走ってくる。
走ってきたらおれはなにするべきか。
-----そう。逃げる。
「うおりゃあああああ!!!」
ひたすら逃げる。
なんとか距離を保ってるというぐらいな速さだ。
【ぐぉぉおおおんっ】
「・・・っ!!」
まじかよまじかよ!
なんだよ今の!?
炎?!なんにしろこのままじゃ死ぬぞ!?
その時だった
俺の右手がいきなり光り出しして、剣・・・がでてきた。
・・・・訳がわからねぇ
訳がわからないけど、やるしかない
「喰らっ!」
ただひたすらに剣を振るう。
【ぐあぁんっ】
鳥がふらついている。
効いているのか?・・・いや
そんなことはどうでもいい。
いまのうちに逃げるんだ。
走れ。走れ。こいつの視界から逃れるんだ。
走れ。走れ。走れ。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・逃げ切れ・・・たか?」
・・・・ふぅ。よかった。
なんとか逃げ切れたようだ・・・。
ここは・・・公園?
時計を見ると、9時40分を指していた。
[ぱちぱちぱちぱち]
「・・・・!?」
拍手がきこえる。
「いや~、見事です。素晴らしい力です!」
どこからか聞こえる、20代ぐらいの人の声。
「どこにいるんだ!?」
「あいや、これは失敬失敬、私はここですよ」
・・・いやどこだよ。
って、えぇ!?目の前には誰もいなかったはずなのに・・・。
「驚きましたか?」
「当たり前だろ!なんでいきなり出てきたんだ!」
「いやですね、これはわたくしの能力【TransparentBody(透明色の体)】なのです!」
「・・・は?力?なに言ってんの?」
だっておかしいだろ?能力?意味がわかんないぞ。
「状況が飲み込めていないようですねぇ・・・。あなた、名前は?」
「名前は・・・わからない」
「そうですか・・・。じゃあいいです、それであなた、【ロクラス】と言ってみてください。」
・・・・よくわからないけど言ってみる。
「・・・・ロクラス」
「・・・・フフッ」
!!!??
さっきの鳥に使った剣が出てきた。
「お前、これのことなにか知ってるのか!?」
「えぇ、もちろんです。あなた、腕に蛇の模様が入ってるでしょう?それは【ロクラス・スネーク】と呼ばれる能力です。」
・・・・また能力の話か。
「あらら?信じていないでしょう?この能力にはたくさんの機能があるのですが、今のあなたではまだ使えないでしょうね。」
「なんの話だよ!?詳しく教えてくれよ!」
本当に頭が追いついていかない。
ロクラス・スネーク?なにそれ?
「・・・おっと!先ほどの鳥が来たようです。話はまたあとで!あなたのその能力でやっつけちゃってください!!」
「・・・とりあえず、やれっつこーとか!【ログラス】!」
今はただ、こいつの言うことを聞こう。