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高村くんの好きな時間

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中村さんとよく放課後に図書室に立ち寄る。
図書館に立ち寄り窓際の席に毎回座り、そして本を読む。
中村さんは僕の前の席に座り彼女は彼女で適当に本を読んでいる。

僕はこの時間が好きだ。
それは、この図書室の雰囲気の中で読書をするのが好きだというのもあるが、
何より一番好きな理由は、

本の内容が難しかったのか本を読みながら時々眉をしかめる姿とか、
その大きな目を縁取る長い睫毛とか、
白くて細い指とか、
時々目が合いそのあと恥ずかしそうにうつむく姿とか

普段なかなか見ることのできない彼女の姿を誰にも邪魔されずに見ることができるから。
だから僕はこの時間が好きだ。
作品名:高村くんの好きな時間 作家名:吐息