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また逢いましょう。

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一体どのくらいの速度で歩けばまた君に巡り会えるのだろうか。


君がいないと、
呼吸の仕方すらわからない。



「明日死ぬかも知れない」

アイツが言い放った一言。

まさかそれが本当になるなんて誰も予想しないだろう。
予想したところでどうしようもないのだけれど。



普通に部活も終わって帰ろうとしているときだった。
アイツがそういったのは。

「…は?」

わけがわからず俺は聞き返した

「だから明日死ぬかも知れないんだって」

あまりにも、
あまりにも淡々と言うから現実味が全くなくて。

今考えたらアイツははなにかを感じ取っていたのかも知れない。
虫の知らせってやつで。

とにかくその時俺は全く信じなかった。


だからやり過ごしてしまったのだ、次の日本当にアイツが死ぬとは知らずに。




聞こえるのは誰かが漏らす嗚咽だけ。
頭のなかはこんなときだというのに冷静そのものだった。
こんな時だからこそ冷静でいられるのかもしれない。

あの時信じてやったらアイツは死なずに済んだのだろうか。
今この時を俺の横で笑っていてくれるのだろうか。いつも通り。

考えるのはそんなことばかりで、


頬を暖かいものが伝っていく感覚。
どんどん落ちる無色透明な液体。
そこに感情はなかった。
感情があったのかもしれないけどわからなかった。
死んだなんてこと全然実感がわかなくて。


ああ、どうして君は、
作品名:また逢いましょう。 作家名:吐息