leo
何億という人間が発する電波を掻き分けて、ただ一つだけ選び取る。
期待はしていない。
時間の消費とちょっとの快楽があればそれで良かった。
自己愛を安く育てたかった。
愛の言葉なんて都合のいいものは嫌いだ。
終わりは必ずあるのに、そんなものは見えないような言い方は、聞くだけ辛い。
情をかけても痛いだけだ。
湯を注いで三分で戻るような恋愛ができればいい。
巨大ターミナルで逢った君は冴えない男で、
私は微かに残る未練を想った。
差し出された衝動を受け止められるほどには寂しかった。
寂しかったから好きだと思うことにした。
簡単な幸せを歓迎した。
冷たい枕の下で、寂しいのは私だけじゃないと知った。