SUBTERRANEAN CANAL オンライン
あの首を持ち帰るだけで金貨が200枚。ガルシアの首があの場所に転がっているのは、今のところはこの若い魔法使だけしか知らない筈である。
再びあのフィールドに向うには、中堅クラス以上でそれなりのパーティーでなければならない。しかし、あのフィールドにまだ首が転がっている保障はない。あったとしても、腐敗を考えればそう日数もないだろう。
1人カウンターで考えを巡らしている若い魔法使に、声をかける女。
女 「昼間っから酒なんか飲んでいるのか
聞き覚えのある声に若い魔法使が振り向くと、命を拾ってくれた女僧侶が立っていた。女僧侶は若い魔法使の肩に軽く手をかけ
女僧侶「1人になったんだろ?
一瞬、魔法使は張り紙に視線を向けて、すぐに戻した。
女僧侶「その男のことを知ってんのかい?
魔法使「いや、観たこともないハンターです
女僧侶はその反応に少しだけ怪しむ心がうまれていた。こんな未熟な魔法使が何を知っているのかと。
女僧侶「その賞金首を狙っているの?
やめておいたら フフフ 今のアンタでは危険な男よ
魔法使「貴方は御存知なんですか?
女僧侶「知っているって言えば、知っているし
知らないって言えば、知らないともいえるわ
アンタ 名前は?
魔法使「スカパルです
女僧侶「ゴルデワよ
ちょっと顔かしなよ、スカパル。
悪いようにはしないからさ。
1人になったんじゃないのかい
ゴルデワはスカパルの酒代の銀貨を一枚懐から取り出し、カウンターの上にパチンと置いて店主にひと声かける。先に歩いてスカパルを外に誘い、2人はギルガメッシュの酒場から出た。
立て付けの悪い店の扉を抜け出ると店前には聖騎士、ビショップ、聖騎士、女シーフが立ち話をしている。扉の開く耳障りな音を合図にその4人が2人のほうに振り返る。
若い魔法使はこの4人に見覚えがあった。ガルシアの首が転がるあの場所で見かけた面子。生死の境にへたり込み、地獄に落ちかけていた際、あのバトルフィールドを勇猛果敢に走り過ぎたあの一団の中にいた顔ぶれであった。
女シーフはゴルデワの横に立つスカパルの顔を見て、あからさまに呆れ顔をしている。
ゴルデワ「うちの新しい魔法使候補を連れて来たわ
どう ナカナカでしょ?
女シーフ「アンタまた顔で人選してきたのねっ!
聖騎士「呆れてなにも言えんな
ゴルデワ「この若いの、悪運だけは誰にも負けないッて
女シーフ「まったく…
聖騎士「早死にするのは本人なんだぜ
ゴルデワ「首から上は鍛えられんでしょうがぁ〜♪
スカパル「………。
【 第2話 ガルシアの首 】
NAME CLASS AC STATUS MP SEX AGE
ディレイド 聖騎士 6 179/179 54/54 ♂ 27
ケズゥ 聖騎士 7 168/168 61/61 ♂ 28
極星 ビショップ 3 144/144 97/97 ♂ 27
ゴルデワ 僧侶 3 142/142 89/89 ♀ 25
ヘンラ シーフ 4 113/113 45/45 ♀ 25
スカパル 魔法使 3 065/065 58/58 ♂ 19
作品名:SUBTERRANEAN CANAL オンライン 作家名:夢眠羽羽