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 侍を失った4人は戸惑いを抑えられないままに浮足立つ。
 仲間の無惨な死に様を目の当りにして、若い2人はあからさまに動揺を見せた。
 たとえ低い知能であろうとも、知性をもつ敵の前では弱気な心は決して悟らせてはならない。つけ入られればバトルの行方を左右する。冒険者の守らなければならない鉄則。

このままでは終わってしまう。
僧侶は恐れる2人を見て後方に退き、まずこの現状を俯瞰し、思案した。
喉に刺さる小骨のように頭の中に引っ掛かって離れないのは、不可解極まる魔人の動作。
パーティーの攻撃を全く寄せ付けない洞察力と素早すぎる躍動。
それとは反する低俗なコボルドとの似つかわしくない連携。
素早さ向上魔法「ヘイスト」で対処しているとはいえ、まだ誰も爪拳を喰らってはいないのは幸運にしては続きすぎる。
魔人は獲物を弄んでいるのだろうか…。
これ程のコボルドの屍山を築きながら…。
「死の宣告」の狙いは、既にジリ貧に陥っていた侍であった。
もしも被害者が戦士であれば、瞬く間にパーティのバランスは崩壊していた筈。
なにより、このフロアでの深層レベルの魔人が出現する理不尽さ。
現状を受け入れるしかないのだが、経験上ではあり得ない事態…。
何者かがパーティーを貶める為に魔人を放ったとでもいうのか…。

  、、……。

僧侶は納得のいかない現状から抜け出す鍵を必死で探した。