小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

はるかぜのうた

INDEX|1ページ/1ページ|

 

はなび


あの時のあたしは
1週間に4回は泣いていた

泣いちゃ駄目だって思っていたから
大体は人目に付かない場所を探しては泣いた

泣いちゃ駄目だって思っていたから
泣いてる自分が許せなくて一人で途方にくれた

それでも
堪えられない時は
キミに助けを求めた

キミは叱咤する日もあれば
優しく受け止めてくれる日もあった

そんなキミはあたしに言った

「花火を見に行かない?」

あたしはあの日も泣いていて、
電話口でそんなことを言うキミに
見えないはずの顔を画しながら

「うん」

って答えた

当日は友達もいて
キミは大勢の人の中で
久しぶりにはしゃぐあたしを見て
満足そうに笑顔を浮かべてた

あの頃のあたしは弱くて
心の中はいつも雨で
たまに曇りがあればいいほうで

でも
あの日は限りなく晴れに近かった

晴れた夜空に花火が上がった

数年の年月が流れた
あたしは社会人になった

キミとはなかなか会えない

頻繁にキミに会えたあの頃を
幸せって呼んでいいのか

ひたすら生き方に悩んだあの頃を
不幸せって呼んでいいのか

わからないけど

あの時の花火が綺麗だったことを
あたしは覚えている

たまに頭を抱えながらも
背筋を伸ばして
凛と歩くあたしは

自分が大好きだ

明日晴れますように!
作品名:はるかぜのうた 作家名:未花月はるかぜ