▽夏彦先生の顔が赤いワケ
お勉強
「先生、こっちこっち」
「おい、お前・・まだ18歳未満だろ?!」
日向に無理やり引っ張られ連れてこられたのは
あっはーん系のDVDが揃う奥の方の棚。
「大丈夫だって~」
「18未満をこんなとこに連れてきた俺が怒られるんですけど!!」
「店員さんが知り合いだから余裕。ねぇ、これでいい?」
「・・・男同士の秘密の花園?ば、馬鹿か!!」
日向が選んだやつは、俺が知っているAVとは一味違っていた。
ホモ同士の学園もの。パッケージにはもちろん、男同士が裸で絡み合っていた。
「やっぱこーゆうの見とかないと、わかんないじゃん」
「こんな世界・・知りたくなかった・・」
頭痛い・・帰りたい・・周りの目が痛い・・
「か、借りるの恥ずかしくないのかよっ」
「大丈夫、俺の知り合いの店員さん腐女子だから」
「ふじょし・・・?『ふ』って?」
「腐ってるって意味」
「は?」
「アヤメさーん、これ借りる」
奥から出てきたのは俺と同じ歳くらいの黒髪ロングがキレイな女の人。
これのどこが腐ってんだよ。
「あら、こんなの借りるの?・・もしかして、彼氏さん?」
俺の方を見て、首を傾げたから
俺はとっさに首を横に振った。
「え、あの、ちがいま・・」
「そーだよっ」
「あ、お前っ!!」
だけど、アヤメさんはそんな日向の爆弾発言に引きもせずに
ニッコリと笑って言った。
「隠さなくても大丈夫ですよ、こーゆうの大好物なんで」
「ね?」
日向が俺を見てニッコリと笑う。
「は・・ははは」
どいつもこいつも腐ってる。
作品名:▽夏彦先生の顔が赤いワケ 作家名:豆もや氏