夢の途中
夢の途中
貴方はこの世界のどこかで
また新たな道へと、進んでいますか。
ー新Ⅰー
ソメヨシノが満開になるこの時期、
私は晴れて彩季芝《さきし》美術高等学校に入学した。創立が百周年とされるこの学校は最初は女学校だったのが共学になり三分の二が女子で締めている。
全寮制で設備もとてもいい。一部屋二人になんと3LDKである。マンションみたいになっていてまだ中には入ったことがないけど資料で
ちょっとした部屋の写真を見て住みやすい環境とゆうことは把握している。
入学式、綺麗に清掃された正門は昔に造られたとは思えないぐらいの新品に見えた。
(わぁ、どうしよ。知ってる人誰もおらへん。)
それはそうである。ド田舎から出てきた私には都会なんて初体験なことばかりで右も左もわからないまま高校にやっとの思いでつけた。
(あの人校長先生なんや。って、この椅子居心地悪いし周りは知ってる人おらんし窮屈でいやや。はぁもう終わらんかな〜)
「ーとゆうことで新入生の皆さん、高校生活満喫してください。ご入学おめでとう」
「やっと終わったねぇ」
(ほんと、やっと終わったよ)
「ねぇ、ねぇって!」
「...っへええ!?」
隣に座っていた女の子が話しかけてくれていることに気づいてなかった。
「やっと気づいてくれた。ふふ、私同じクラスの織瀬千歳《おりせちとせ》っていうの!!よろしくね。」
にこやかに話しかけてくた。これは名前をこちらも言わないと失礼だな、と考えて喋りかけた
「うちの名前は棗、久坂棗《くさかなつめ》いう。よろしく」
(ちょっとなまりはあるけど都会に行く前に標準語にしょうとお母さんと話ししたし大丈夫)
「ふむ、棗ちゃんっていうのね。棗って呼び捨てしていい?」
「いいよ、えっと。。」
「千歳って言って!私にもさんとかちゃんとかなしで呼び捨てでね」
「ありがとう。ち、千歳!」
なぜか顔が熱い。それを察したのか千歳が私の顔を覗き込み微笑む
続く。