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タマ与太郎
タマ与太郎
novelistID. 38084
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Tadの「なんちゃって留学記」 2008.6.29~7.14

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探していたつもりが、逆に見つかってしまったTad。

「どうしてわかったのですか?」
「ギターを持った人だと聞いていましたから。」

こんなところでギターが役に立つとは思わなかったな。
でも、あのスタッフさん、Tadの名前の書いたサインボードなんて持っていなかったけど?
ま、いいか。

現地のスタッフにも無事会うことができ、
他の日本人の若い留学生とともにスタッフの車でホームステイ先に向かう。
車窓から受けるバンクーバーの風は心地良い。
日差しは多少暑いが日本のようなジリジリとした暑さではない。
考えてみれば緯度は北海道より北である。
日本のように湿気もなく、むしろ暑くないのが当然かもしれない。
バンクーバー経験者から、1年中で最も気候のよい季節と言われて来たのもうなずける。

街のあちこちで建築中の大きなビルが見えてくる。
また、工事中のスカイトレインと呼ばれる電車の駅やレールも見ることができる。
これらは全て2010年冬のオリンピックのための準備であるらしい。

車中、フレンドリーなそのスタッフはバンクーバーのことについていろいろ話してくれる。
食べ物のこと、バスの乗り方、ダウンタウンのこと… etc。
留学ジャーナルのガイダンスで受けた説明とはまた一味違い、
かなり具体的かつ実践的な話で、なかなか興味深い。

「ところで、バンクーバーってカナダの何州にあるか知ってる?」

他の留学生はぽか〜んとしている。

「ブリティッシュコロンビア州です。」

答えたのはTadであった。
おいおい、若者よ、それくらい勉強しておけよな。
君たちがこれから滞在しようとしている場所だぞ。
バンクーバーの街でよく見かける”BC”というのは、ブリティッシュコロンビアの略である。

さて、そんな話をしているうちに車は大通りを抜け、市街地を走り始めた。
Tadのホームステイ先は他の留学生の中でも一番空港に近かった。
そこは緑に囲まれ、きれいに区画整理された閑静な住宅街だった。
スタッフに礼を言い、他の留学生とお別れをし、
いざ、ホストファミリーとのご対面である。