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稀代の目利きが愛したカントリー・ジェントルマン

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 吉田は外相就任以来、外務省の人事を一新し、その上で昭和二十年十二月、次郎を終戦連絡中央事務局、いわゆる終連の参与に任命した。終連とは、政府とGHQの間の折衝を行うために新設された役所であります。自治権を取り上げられ、自主外交も認められなかった当時、この終連こそがあらゆる役所の中でもっとも重要な権能を担うことになります。そのため各省から俊秀が集められた。一方、白洲次郎なんて中央では誰も知らない。実績もない。各方面から不満の声が上がるのを承知した上での吉田の大抜擢であります。「戦争に負けて外交に勝った歴史もある。ここからが正念場じゃからな」と吉田は次郎に何度も繰り返したそうでございます。<了>