お出かけ
「さてと、お出かけの続きしようか」
カレは、立ち上がり、会計をしている。その後ろでワタシは、その背中を見つめていた。
「行こうか」
「うん。あ、ごちそうさま。……で いい?」
「うん。いいよ」
店の外に出ると、カレは、つかつかと歩いていく。左の腕をやや曲げて空間を作った。
ワタシは、小走りに追いかけて、その腕にしがみ付いた。
「にゃおん。飼い猫だもん」
「え?何?」
良かった。カレには聞こえなかったみたい。
「ううん、何にも」ワタシは、カレを見上げて言った。
ずっと、笑顔でカレの横に居られたらいいなぁ。
いつもは背中ばかりのカレだけど、たまにはワタシをまっすぐ見てくれたらいいなぁ。
……でも、それって恥ずかしいなって気もした。
オレンジ色の夕陽に向ってふたりで歩いてる。
ただそれだけなのに……。
とっても 嬉しい。
― 了 ―