ねとげ~たいむ
プロローグ
キーンコーンカーンコーン……
今日も学校が終わった。
毎日毎日退屈な授業、だけど終われば学生達のパラダイス、まして明日は週末で嬉しさは2倍だった。
「じゃーねー」
私は手を振りながらクラスの友達に別れを告げると教室を出た。
昇降口で靴を履き替えるとグランドを突っ切り校門を出た。
桜通りの並木道を横切り途中のコンビニでジュースとお菓子を買うと家に向かう、最近はこんな感じだった。
学校を出てから15分後、赤い屋根の2階建ての25年ローンの一軒家である私の家に帰って来た。
「ただいまーっ!」
靴を脱いでダイニングにやってくる、
テーブルの上には置き手紙があった。
『今日はお父さんと一緒に出かけてきます、夕飯はお姉ちゃんと済ませてね』
「今日はじゃなくて今日もでしょうに」
私のお父さんとお母さんは何時までも新婚気分が抜けず、時々こうして出かけてしまうのだった。
「お姉ちゃんも友達とお出かけって言ってたのに…… ま、いいか」
つまり今日は私一人、
これから誰にも邪魔される事なくお楽しみの時間が始まる、
私は2階にある自分の部屋に直行する、荷物をキジトラ猫の顔が描かれたベットの上に放り投げるとパソコンを立ち上げた。
「みんな来てるかな?」
私はマウスをクリックし、とあるサイトへ飛んだ。
私にとってこの時間が何よりの楽しみだった。
ドキドキウハウハ、ネトゲータイムの始まりだった。