クロネコケシャ
真っ黒なオスのクロネコ。
彼の趣味は寝ることと読書。
昼間はずっとその調子。
みんなが寝静まった暗い夜、
彼の仕事は始まります。
彼の毛皮は夜にも負けないほど黒く、
すぐに闇に溶けてしまいます。
そんな彼の仕事は、星の欠片を拾うこと。
はしゃぎすぎて地面に落ちてしまった星たちを空へ返すのです。
もしもお月様に厚い雲がかかってしまったときには彼がホウキでそれを払ってくれます。
森の動物たちが道に迷わないように。
町のみんなが寂しくないように。
今夜も彼はみんなの知らないうちに頑張っています。