小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

人生いろいろ

INDEX|17ページ/19ページ|

次のページ前のページ
 

20才・大学生のターン




…今、このアホは何と言った?
目の前にいる男を凝視したまま軽く固まる。

いくらくらい?いくらって……、ああ!あのプチプチしたオレンジの!
…ってボケてる場合か俺!!

「……バイクの相場なんぞ知らん!」

そう、『俺のバイクいくら位で売れると思う?』と言いたかったんだろう、こいつは。
アホだから日本語が不自由なんだ。
さっき自分が『単車を売れ』と言った事を思い出し納得する。

「ちげーよ馬鹿っ、単車じゃなくて俺だよ俺!俺を売んだよ馬鹿っ」

………アホに馬鹿と言われてしまった。
しかも二度も…。
いや、そんな事よりもっとタイヘンな事言われたような…

何故か得意げな健児に一抹の不安を感じながら手招きする。

「とにかく上がれ…」
 




「だからな?バイクは売っちまったらハイ終わり、だろ?」
「その点!俺なら何回でも売れる!だろ?」
「ちょーオトクくねぇ!?」
「しかも俺は世界に一人しかいないから、希少価値だよな!」

なにやらアホが力説している。

お前みたいなアホ買う奴がいるかよ。
現実は教えといてやらんとな。
世の中そんなに甘くないってことも!

「お前なんぞ一銭にも」
「なぁ、いくら出す?」

……………はい?

「まぁ、お隣さんだし後輩だし?まけてやんねーこともないけど、希少価値の俺様の“お初”だからな、いくら出す?」

なんか話が見えなくなってねーか?

「なんでアンタ売る話しが、俺が買う話しになんだよ」

「俺がお前にしか売らねーから」

…………なんですと!?
作品名:人生いろいろ 作家名:花@花畑