少し長い休日
「少し休みたい」って言ったからって
ばかにしたりなんかしないよ
むしろ君はねぇ
もっとゆっくり歩いたほうがいいよ
極端なこと言えば なにもしないで
ぼーっと空なんかみあげたらいいのに
でも君が休んでいる間に
みんなが君を追い越してゆくだろう
「あいつはもうだめだ」なんていううわさが
どこからともなく聞こえてくる
君のことをわかろうともしない人たちの言葉なんて
気にしなくていいよ
「少し長い休日」にどこかへ行くなら
ぼくも連れてってくれないか
ほら あの雲の形
だれかの顔に似てるだろう?
こんなこと考えるのは 思い出せるかぎりでは
子どもの頃以来だなぁ
おとなになってからはそんなくだらないこと
考えたりしなくなったろう?
でもさぁ
雲の形について考えること以上に大切なこと
どれくらいあるのかな?
君が走り続けている間に
大好きなあの人によく似た雲を
見過ごしたんじぁないかな
まぁでも雲ってやつは
みんな気まぐれに ふわふわと浮かんでるだろう?
だからさがしてみたら
意外とみつかるかもしれないよ
きっといつかかならず会えるよ
「少し長い休日」にみつけられたら
ぼくに知らせてくれないか
でもきっと 君が休んでいる間に
みんなが君を疑いはじめるだろう
「昔はあんな人じぁなかったのに」
なんて嘆く声が聞こえている
みんな不安なんだ 自分のことが
だから許してあげられるかな
むしろ君のほうがよっぽど強いみたいだ
「少し長い休日」を選ぶことができたろう?
もう何年かすれば それは「勇気」という名で
呼ばれるようになるから
そのときまでぼくが 君のそばにいよう
たいしたことできないってわかってるけど
それなりに ぼくなりに
君のためにできること 考えてみるよ
「少し長い休日」に
ぼくのくだらない話でも聞いてくれないか
あぁ そういえばみつけたんだ
大好きなあの人によく似た雲を
君に見せようと思ってさぁ
写真に撮っておいたんだ
ほら よく似てるだろう?
君の横顔に