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ショップカードの裏には

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「ありがとうございました。
また学校で。はい。お疲れ様です。」


サークルの人たちと別れて思った。
やばい、飲みすぎた。
久々の酒だったからなあって思ってももう遅い。
煙草でも吸って落ち着くか、と思ってフラフラ歩く繁華街。


「お姉さん、久しぶり。大丈夫?歩ける?」
目の前で手を広げる、普段なら無視するナンパも今日はもういいかな。
なんかもう歩くのもかったるいし、考えるのも面倒くさい。
「んー、歩けない。」
「久しぶりだしちょっと遊ぼうよ。」

私の手を引く男はやっぱり知らない人。
もういいや、考えるの疲れる。はやく、寝たい。
そう思いながら手を引く男にふらふらついていく。
ぼんやりした頭で、あーやばいな、これ、
お母さんごめんなさい、なんて思う。



「おい、帰るぞ。」
後ろで急に聞こえた声。
特別何も思わず、男に手を引かれていく。

あれ、腕、掴まれてる。
左は久しぶりらしい男に、右手は、うん、知らない人。
立ち止まった私につられて、どうした?って振り返る男。

「ゆみ、そいつ誰?」
ゆみって誰だろう。ていうかこれなんだろう。
知らない人が二人。おもしろい。なにこれ。
「あ?お前こそ誰だよ。」
「こいつの先輩。
こいつ酔ってるから手離してもらえませんか?」
「何だよ、面倒くせえなあ。」
「まじすいません。」
「何だよ。やりまんだろ、こいつ。」

そう言って手を離された。
あー、あー、私今ひどいこと言われた。
やりまんって。ふふ。さいてーい。

「何笑ってんの。
今女の子にとって危ない状況だったからね?わかる?」
喋るのも面倒くさくて、座り込む。

「え、ちょっと大丈夫?」
「大丈夫じゃない。」
「大丈夫になったら立って。」
この人良い人だな。ばかだな。ほって帰ればいいのに。

「大丈夫だから帰っていいよ。」
「こんなんで帰れるわけないっしょ。」
やっぱ良い人だ。はやく立たなきゃ。
大丈夫だよって言って立ち上がった。
彼に手を引かれて駅までの道。