わたしにとって走るということは・・・
マラソンと名のつく大会へ何度も参加してきた。
もう20年近く休みながらも走り続けている。
走っているとき、気持ちいいなぁと思うのは
ゆっくり走っているときだけかな。
たいした記録もないけれど
いい記録を・・・と思いながら走ればかなり辛くなる。
なぜ走るのか・・・
それは憧れでしょうか。父への・・・
そして二度と走れなくなってしまった父への鎮魂かな。
怖くてあまり話したこともなかった父。
スポーツ万能だった父。
父に似て長身なのに、スポーツが苦手なわたし。
高校までは、最後までがんばったスポーツは何一つない。
大学に入って始めた剣道だけは4年間続いた。
段位も初段、二段と昇段試験に受かった。
それでも監督は華奢なわたしを見て、無理をするなと言った。
たくさんいた部員も最後は男女合わせても数人だけになっていた。
マラソンは父が一番得意としているスポーツだった。
今でこそブームになっているけれど、昔はとても地味なスポーツ。
小さい頃は、なぜあんな辛いことをするんだろうと思っていたわたし。
でも今、わたしは走っている。
心の中の父と話をしながら走っている。
ずっと父の亡くなった歳、42歳まで生きられるかと不安だったわたし。
それをなんなくクリアーして今もこうして走っている。
どんなに遅い走りでも、どんなにカッコ悪くても
走っていれば遠くに行けると信じて・・・
作品名:わたしにとって走るということは・・・ 作家名:ゆう