技巧と認識
静物
林檎や梨が
その位置を偶然から必然へと動かすとき
その表面へ差す光は
外部に言葉を与え 内部を言葉から離した
再び
林檎や梨が
その位置を必然から偶然へと移すとき
昼の底にある闇が
にぎやかな籠を形成して
色彩は昼の空間に連続し
夜は白々と浅薄に飛び散った
籠が憂えているのを
その憂えが時間の湾曲に沿っているのを
林檎はその見えざる跳躍において怒り
梨はその見えざる分裂において喜んだ
銃声に似た何かが聞こえると
それぞれの個体は一気に溶け出し
昼の壺の中へと 空の溶液の底へと
硬さを静かに統一し
瞬間を痙攣的に編集していった