一滴
その一歩は小さすぎて 私には無意味なものに思えた
周りの空気が動き 人波がそれに合わせて便乗していく中で
一人取り残された気分に浸っていた
どうしても伝えたくて けれど私の声は掠れるから
どんなに強い思いがあったって 私は唇を引き結ぶ
どうしても笑いたくて けれど心が冷え切ってしまって
誰かこの氷をねえ融かして 願うもそれは花のように散る
すくいきれず零れ落ちる水 それはまるで人間の心のよう
透明で美しい けれど時に濁り姿かたち変えるのに
私はそれを必要とする
あんなにもあの大空に憧れて けれど現実地面ばかり見つめて
大事なもの落としたことにさえ 気付く余裕はなかった
あんなにも人を恨み憎んだのに いつの間にか注がれる愛に身を傾けて
本当は一人はずっと寂しいから 言えないでもねえ誰かそばにいて