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夜道

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-プロローグ-

4月。
桜咲き乱れる春。
出会い。別れ。引っ越しと色々忙しい時期である。
ズバッと言うと、面倒な時期。
だが、今はそれどころではない。
今日は入学式なのである。

神凪高校附属中学。
俺が入学する学校。
受験で大変だったのに、休む暇なく小学生を晴れて卒業。
そして中学生。
信じられない。
早すぎる。
せめて休まして欲しいものだ。
一ヶ月ぐらい。

そんなことを思いながら、入学式の会場。
体育館に着いた。
中には、もう既に沢山の人がいた。
早いな。
そう思いつつ、自分の席は何処だと見回す。
合った。
一週間前に、『入学式の予定』とか言うのが届いた。
中には、入学式に行う予定と入学者の名前、そして入学式の席が書いてある。

まず俺が、ここへ受験するキッカケとなったのは俺の友達、福田 葉(ふくだ よう)のせいである。
1年前、いきなり「一緒に受験しよーぜ」と誘われたのである。
葉は、ヘンな所で頑固な時があり今回も嫌と言いながらも、葉に根気負けし受験したのである。
「まさか本当に受かるとはなぁ....」
ついそう呟いてしまった。
それにしても、よく親がOKを出したものだ。
授業料は正直馬鹿高い。
「よ、蓮!」
いきなり呼ばれ驚いた。
葉だ....。
葉は運動神経はあるのにまったく動こうとはしない。
それどころか、「中学は文系の部活に入る」と言う始末。
「......はぁ」
つい溜息が。
「おい〜、今の溜息なんだよ〜」
「スマン....お前を見てたらつい」
「何それ嫌味か?」
実際、葉は面倒。
結構絡んでくる。
「おい、そろそろ時間じゃねーか?」
そう言われ、時計を見る。
9:30。
そろそろ席に着いた方がよさそうだ。

相変わらず校長先生の話は長い。
それはどこでも一緒なのか。
そんなことを思っているうちに、教室へ移動することとなった。
受験生が少なかった為かクラスが少ない。
2クラスだけ。
どうやら、葉とクラスが一緒のようだ。
名簿に書いてある。
喜んでいいのか.....?
まぁ、実際葉が嫌いって訳じゃないが....。
そう思っていると、後ろから手が伸びてくる。
そしてもたれかかる。
葉か。
それから教室に着くまで肩を貸した。いや、貸す羽目となった。

教室に着き席に座る。
名簿を見る。
1つのクラスの人数が少ない。
21人.....。
少なっ!
女子10人男子11人。
うわぁ。
少ない。
ふと、前を見ると先生が立っている。
しかも、何か話している途中だ。
気付かなかった。
前から紙が配られる。
入部届。
あぁ、部活か。
この学校の9割が部活をやっており、やっていないと何処か形見の狭い思いをするらしい。
お、もう終わりか。
やっと帰れる。
玄関には保護者が。
あいにく、俺の親はこの中にはいない。
家が割と近いため親がついて来なかった。
玄関も自動ドア。
流石私立。
馬鹿高い授業料を払うと、玄関のドアが自動になるのか。
さて、帰るか。
そして玄関を出ようとした。
が、腕を掴まれた。
反射的に腕を振りほどき後ろを見る。
そこには葉が目を丸くして立っていた。
だがすぐに、目が普通に変わる。
「一緒に帰ろうぜ」
なんだそれだけか。
葉とはご近所なので、物心ついた時から一緒に遊んでいた。
今のところ、一番古い友人。

帰り道、葉はずっと部活のことだけを話していた。
話によると、葉は『なんでも部』というのに入るらしい。
なんだそれ。
ただのボランティア部じゃないのか。
俺はそう言ったが、葉は多分違うと思うと言った。
もちろんの如く葉は俺に『なんでも部』に入れと言ってきた。
が、一回俺が断るとすぐに引いた。
こいつは珍しい。
明日大雨でもなるんじゃないか。


今自室でなんの部活に入るか考えている。
水泳、野球、テニス、陸上。
運動系はこれぐらいか。
文系は....っと。
軽音、写真、芸術。
そして何故か一行空けて。
『なんでも部』とある....な。
何故だ。
何故一行空ける。
俺はこの『なんでも部』に興味を持った。

作品名:夜道 作家名:かまぼー