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プロローグ





昔からこの都市にたいしては違和感を感じていたんだ。別にこれといって日常生活デカイに疑問はない。
そう、全くこれっぽっちも。恐ろしいくらい。
只、何となく・・・、清潔すぎる女性や男性の心に嫌気が。
俺の心にグサっと刺さる。ここの都市はおかしいって思うくらいに美しすぎるのだ。

----というか、ここの場所を都市といえのるのだろうか?
いつの間にかそんな方向の問題が浮かび上がってきているのも事実だ。
きっと違う土地からきたら誰だって感じると俺は思う。
タッタラ~ン♪という音と共に。(別に無くてもこの際仕方ない。うん。)
理由その1、都市全体が農場が多く家畜も多い。ありえなくね?果樹園だってあるさ。そこじゅうにわっさわさ。
理由その2、ユダヤ教だの、キリスト教だのカトリック?プロテスタント?そこらじゅうに宗教がわんさか。
推測として清潔すぎるのはこのせいなんだと思う。じゃなかったら他に何なんだろうって・・・。

そもそもはじめはこの都市は所謂「関東地方のトウキョウ」っていう大都市だったはすだ。一世代前の人物なら皆知っているはずだ。
とっても経済的にも統治的にも日本一。日本の中心都市。あの「トウキョウ」だ。俺達は日本史の一ページにしか過ぎない情報の中でしか知らないけど、俺はそっちのほうがきっと楽しかったんだろうなって・・・。
いっそのこと戻ってしまえばいいのに。常にそう感じている。
表も裏も有る。何てすばらしい。なんて魅力的なんだろう。プラスワードが飛び出てくる。

なのに・・・・なのに・・・。
いまじゃぁ、日本一のどかな都市に変わり果ててしまった。
あぁ、なんということだ。昼間の活気、夜の美しかったであろう夜景。全て塗り替えられてしまったのだ。
俺はこの目で、この体全体で感じてみたかった。できることなら、タイムスリップして裏でもなんでも潜ってみたいなって思うよ。


そんで、俺がこの二つの理由により違和感を持ち続けているっていう訳だ。










********

時を一世第遡って。
この魅力的な大都市、「トウキョウ」について熱心に調べていた時代があった。余りにも素晴らしい事があったのだ。
要は、<革命>だ。
その内容を調べているうちに、心の中の何かが切れたのだ。ぷっつりと。
口元が釣り上がるのが止まらない。脚が震える。心臓がバクバクする・・・。
どうしたんだろう?俺?でも、快感が止まらないのだ。
大爆笑、大爆笑、大爆笑、大爆笑・・・・・・・・・。自分でも狂っているなって思ったさ。だけど心から楽しかったんだ。人が何人も亡くなってい行く、人が何人も亡くなって逝く姿がアレほどまでに華が咲き誇る様な姿をしているなんて思ってもいなかった。初めてのことばかりがデータとして残っていた。
誰も教えてくれなかった。誰も<俺だけには>みせてはくれなかった。酷いや、皆して楽しんでいるなんてさ?
俺だって腐ってもこの都市の一部なんだから、知る権利位あるじゃん?

映像の中で逝く瞬間に差し掛かる。
その人物は手のひらを空いっぱいに拡げてこういうんだ。
「あぁ・・・我、父なる神よ。どうかこの者達をお許しください。只、父の、貴方様の声が心まで届かなかっただけなのです。どうか来世では笑顔に包まれますように。アーメン。」
その衝撃的な映像、英奏。死ぬ瞬間にコレほどまでの所謂「イエス様」に対しての忠誠心等々を表す言葉を言えるなんて・・・。
素晴らしいの一言に尽きる。最終的にはこの言葉の後に敵の一派を喰らい終わってしまうのだけれど。
「うわぉ」
背に翼が生えているように見えるし、後光が差し込んでいるようにも見えた。
俺の一番大好きな場面だ。関心、激励。最高。
ビリビリした。
なんといっても、
「自分がここまで堕ちているっていうことがビックリなんだけどな。」
そう。
闇に食われていって、俺もその内終わるのだろうって毎回思っていた。誰にも相手にされず、大都市「トウキョウ」を夢見ていながら孤独に逝くのだろう。
俺の行先はきっと------。





時期は少し後になり。
もう、二度とあの繁栄していた都市には戻らないのだろうって確信していた頃。
俺の大好きなロック?ヴィジュアル?バンドが少し売れていた。中々の活気ぶりで嫌いではないのだ。
そのバンドが喧嘩を売りにこの都市に来たのだ。俺もこの目で見れるのだと思い柄にも無くワクワクしていた。
だって、
「俺達はあんなにも腐っている都市に少しばかり喧嘩を売ってくる。ガゼじゃねぇー。ガチだ!!今よりも最高なジャンクミュージックを完成させる!このブタ共!ケツを洗って待ってろよな。」
確か、こんなこといっていたんだから。期待しまくっていた。
だけど駄目だったんだ。
最近になってまたこいつらのニュースが流れていたのを偶々見てしまった。
----慈善活動を主にしているらしい。
ガッカリ。キレイさっぱりな顔をしていらっしゃった。イエス様が着ていそうな真っ白な服を身にまとっていた。どんな趣味だ。
そのとき俺の親父も丁度見ていて、一言。
「ありえんだろ、黒にしろ黒。」って。流石理解有る親はとてもいい。
でも、よく見ると裏切ったっていう感じじゃない瞳だったのだ。そんな印象は全く無く、心のそこから大改造を望んでしたっていう俺の大嫌いな瞳だった。
「・・・・・。」
そこで俺は理解した。
この都市にくれば、何もかもが白紙に戻されるのだと。あいつ等は成人しているから今の俺達とは少し違うみたいだが。
俺の場合によると、通っている学校、「聖キリスト第一高等学校」。ここの教師達は俺が何をしたって怒った声も顔もせず、「次からは正せばいいのです、貴方ならきっと出来ます。」と言うのだ。その時の牧師さんの服は相変わらずキレイだった。周りの奴らも、先生の教えなのかどうなのか、俺みたいなはみ出し者を毛嫌いせず逆に「今日も真白君は元気だね」って言ってくる。
そのたびに俺は「キモイ。」って言ってる。何回言ったのだろうか。
家系的にも、何的にも、余り優しくされることは慣れていないし、きっと誰にもしてあげれないんだろうって思ってる。それを察しているのかどうなのかは分からない。
ニラんでも最後は微笑み返してくる。よく分からない。家の中での常識と世界の常識にズレが出ているのだろう。改めて言う、よく、分からない。

「きっと先生から言われているんだろ?俺には何があっても親切に接すること。本心ではないんだ。きっと。」
切ない、って感じるのも本心ではないんだ。俺の単なる正当化。そんなことで悩むとか、アホか。


********

改めまして。
俺はこの都市が嫌いなんだ。この「ガーデン」が。(もう都市っていう名前じゃないな。)本当に大嫌いなんだ。今すぐにでも逃げ出したい。
いっつもニコニコしやがって。本心じゃないくせに。俺以外にしろや。
いろいろ考えても俺はこのガーデンにいる。嫌い嫌いって言っても。否、出て行けないんだ。
作品名:colors 作家名:HIRO