「舞台裏の仲間たち」 60~61
アイラブ桐生Ⅲ・「舞台裏の仲間たち」(60)
第三幕・第一章「撤退宣言」
プラスチック製品の原型となる金型は、その用途に応じて
重量が5~60㎏の小さなものから、1000㎏を越える大きなものまで実に様々です。
台湾進出を果たした部品会社と亀田金型が共同で開発を進めていたのは、
総重量が2000㎏を越える大型タイプのものです。
その第一便が日本に到着をしたのは、順平が帰国をしてから
2週間が経過してからです。
第一回目の試作品の提出まで、残された時間は10日あまりしかありません。
未完成の金型に最終処理を施し、良品を生産するための仕上げの仕事が急がれています。
不具合部分などをすべて修正をし、サンプルの造りださなければなりません。
亀田金型では、3人の従業員が手分けをして、徹夜で
金型の修正作業をはじめました。
こうして生み出されたプラスチックの試作品は、
部品メ―カ―に持ち込まれ細部にわたり、設計図面との照合が行われます。
自動車に使われるプラスチック製品の寸法精度は極めて厳しく、
1ミリの10分の一や、100分の一というミクロ単位の精度が求められています。
この検査に合格をしない限り、金型は何度でも修正作業が繰り返されます。
この精度検査に合格をしないかぎり、際限のないやり直し作業が待っているのです。
最初の金型は、予定よりも8日ほど遅れて無事に完成をします。
しかし片付いたのもつかの間で、亀田金型にはつづいて第二便が台湾から到着します。
こちらも前回同様、図面にたいする金型の完成率は低く、
大がかりな改修作業を必要とする状態です。
間違い部分や未加工の部分などまで含めると、前回以上に
かなりの難工事が予測されました。
第三幕・第一章「撤退宣言」
プラスチック製品の原型となる金型は、その用途に応じて
重量が5~60㎏の小さなものから、1000㎏を越える大きなものまで実に様々です。
台湾進出を果たした部品会社と亀田金型が共同で開発を進めていたのは、
総重量が2000㎏を越える大型タイプのものです。
その第一便が日本に到着をしたのは、順平が帰国をしてから
2週間が経過してからです。
第一回目の試作品の提出まで、残された時間は10日あまりしかありません。
未完成の金型に最終処理を施し、良品を生産するための仕上げの仕事が急がれています。
不具合部分などをすべて修正をし、サンプルの造りださなければなりません。
亀田金型では、3人の従業員が手分けをして、徹夜で
金型の修正作業をはじめました。
こうして生み出されたプラスチックの試作品は、
部品メ―カ―に持ち込まれ細部にわたり、設計図面との照合が行われます。
自動車に使われるプラスチック製品の寸法精度は極めて厳しく、
1ミリの10分の一や、100分の一というミクロ単位の精度が求められています。
この検査に合格をしない限り、金型は何度でも修正作業が繰り返されます。
この精度検査に合格をしないかぎり、際限のないやり直し作業が待っているのです。
最初の金型は、予定よりも8日ほど遅れて無事に完成をします。
しかし片付いたのもつかの間で、亀田金型にはつづいて第二便が台湾から到着します。
こちらも前回同様、図面にたいする金型の完成率は低く、
大がかりな改修作業を必要とする状態です。
間違い部分や未加工の部分などまで含めると、前回以上に
かなりの難工事が予測されました。
作品名:「舞台裏の仲間たち」 60~61 作家名:落合順平