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市ノ瀬 透
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novelistID. 43159
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き
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きれいな花をもらった
名前はわからない白い花
いや、正確にはもらっていない
この花は
交差点ですれちがった誰かが
音も無く落としていった
私は拾った
信号がまだちかちかしていなかったから
ちょっと小走りできそうなきがしたから
白い色がきれいな花
透明な器に水を張って
浮かべた
この部屋もきれいにしなくちゃいけない気がした
きれいな部屋に彼女はいるべきで
きれいな水に支えられているべきで
朝日も夕日も
彼女のためだけに
たづねてくるのだ
私の部屋を
すこしおかしくて笑った
作品名:
き
作家名:
市ノ瀬 透