餅
子供のころは炭火か煉炭で焼いた。ちょっと目を離してしまうと黒こげになって母に叱られた。トースターではそんなことはない。
今年は知り合いの農家の方に頼んだ餅なので、旨そうな気がする。
間もなく長女たちが来た。子供たちは元気に新年の挨拶をした。
「はい、どうぞ」
お年玉を妻が3人の孫に渡した。
「ありがとうございます」
とても元気で大きな声だ。
この日のためにと買った、電気こたつが役に立つ。8人ほどが座れる大きなものだ。
「宝くじはどうだった?」
「3000円が1本」
妻が言った。
「家は3000円が2本」
「誰かしら当たって居るのにね」
妻も娘も1万5千円買ったらしい。
夢を見るのもいいが、こうして新年を迎える事が私には嬉しかった。
餅やおせちが美味い。当たり前の様な事ではあるが、そんなことに喜びを感じた。
1年づつ年を重ねて行く。そして平凡なことに幸せを感じている。
5匹の仔犬がじゃれ回っている。母親の茶々が「静かにしなさい」って躾をしている。