シンクロニシティ
「自殺じゃ……ハァ……ない……少なくと も……ハァ……ハァ……自殺に 見え る その 者 達に は……ハァ……そん な つもりじゃ ない!」
「自殺じゃない!? え……それは!!」
加藤達哉は震えた手で着用している作務衣さむえの腰にあるポケットより携帯電話を取り出す。社用の携帯電話。それはセキュリティ設定により、登録された番号と緊急番号のみに連絡できるようにされているため、利便的に契約者へ渡す事も多い。利用者は裏側に職員ナンバーを刻印されるようになっていた。春日を待っている時に持っていた記憶。車で走行している時にはなくなっていた不可解。
加藤の持っていた携帯電話は何を意味するのか。それが証拠と示すように、刈谷に差し出す。
「刻印……俺の……携帯!?」
「ハァ……ハァ……『新天地』なん だよ そして……ハァ……君 と の 偶然の 出会 いは……ハァ……ハァ……そこで 意味 を 成す だろ う」