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悠久たる時を往く

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 (けして忘れてならないのは、フェル・アルム還元の際、太古の“混沌”の欠片がほんの一時であるもののアリューザ・ガルドに現前したという事実である。それまで存在そのものに疑念がもたれていた“混沌”が実在することが明らかになったのだ)

 当初、魔物の棲む島として敬遠されていたものの、独自に王国が築かれているのが判明すると、ティレスはフェル・アルムと国交を結んだ。一方でイイシュリアは1058年、フェル・アルムの制圧に乗り出すが、フェル・アルム女王サイファ・ワインリヴ指揮のもと、かの国の精鋭騎士団“烈火”により退けられる。
 この戦いの後イイシュリアは国内外からの反発を買い、1059年にはティレスに併合されることになる。
 フェル・アルムから大陸に渡る者も多くいたが、その中で著名な人物にテルタージが挙げられる。彼ら夫婦は冒険家としてアリューザ・ガルドを巡り、とくに著書『天を彷徨う城キュルウェルセ』にある冒険行は、広く世に知られることになる。



[現在]

 時に1100年代となった現在、アリューザ・ガルドは安定化しており、特に大きな変動はない。ひとまずアリューザ・ガルド史の編纂を締めくくることとする。






作品名:悠久たる時を往く 作家名:大気杜弥