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四神倶楽部物語

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 このように少し慎重に話したのですが、すぐに佳那瑠からの躊躇のない発言がありました。
「えっ、龍斗さん、そうなの。グリーンスターって呼ばれる緑の星があるって聞いてはいたわ、本当だったのね。もち、行ってみたいわよ」
 また悠太は悠太で、「これ、絶体にチャンスですよ。なにかこの旅で俺たちの人生が変わるような気がします。龍斗さん、旅は道連れで、四人で楽しく行きましょうよ」と意気込み充分です。
 それでも私はみんなが暴走しないように、一呼吸おいて、「ミッキッコは、今日魔鈴の話しを横で聞いてたろ。それで今はどうしたいと思ってるの?」と再確認しました。

「龍斗、お昼にお話ししたでしょ、私、もう覚悟決めてるよ。だってチケットまでもらっちゃったんだから、みんなと一緒に宇宙旅行よ、きっと楽しいわ」
 ミッキッコは昼からずっと胸を躍(おど)らせていたのでしょう。そして私はこんなみんなの強い意向を受けて、結論付けをしました。
「じゃあ、俺たちの四神倶楽部、その発足記念として、今度の夏期休暇に合わせて、慰安旅行してみよう」
 だが、問題が一つ残ってました。旅への入口がわからないのです。

「佳那瑠、カプセル駅への扉が一階のロビーのどこかにあるはずなんだけど、探してくれないか」
 私は扉の達人、佳那瑠にそう頼んでみますと、「うん、わかったわ、まかせて」と二つ返事でした。このようにして四神倶楽部の臨時総会はトントン拍子に進み、一週間の日程でグリーンスターへと宇宙旅行することを決議したのでありました。

 それにしても、どんな旅になるのでしょうね。




作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊