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えりまきとかげ
えりまきとかげ
novelistID. 42963
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一目惚れ

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中西健太は一目惚れをした。


年末恒例の忘年会。
健太の勤める会社は例年、社長同士仲がよいという小嶋証券の社員達と一緒に忘年会を行っているらしい。

らしいというのも、健太はまだ入社一年目のため、今回が初めての忘年会参加となるからである。

先輩社員達が小嶋証券の人達と喋っている中、健太は同僚の前田と二人で女性の好みの話をしていた。
健太の会社には女性社員は少ない。
それに比べて小嶋証券は多いので、話がそっちにいくのは当然といえば当然だった。

そんな中、一人の女性が一際健太の目を惹いた。
清楚な顔立ちで大きな瞳、長めで綺麗な黒髪の彼女。
まさに健太の理想の女性像そのものだった。

健太は顔こそそれほど二枚目という訳ではないが、優しそうな顔付きからか学生時代は数人の女性と付き合った事があった。だがどれも本当の恋愛とはどこか違う恋愛に終わった。
健太は本気で人を好きになった事が無かったのだ。

だが、そんな健太も彼女を見た時は今までとは違う衝撃がはしった。
これが一目惚れというものかと健太は一人納得した。
そしてそれは健太が初めて人を本気で好きになった瞬間だった。



横山麻里もまた一目惚れをした。


忘年会も終わりに差し掛かった頃、麻里は彼と目があった。
自分を真っ直ぐに見つめてくるその優しい眼差しに、麻里は一瞬で恋におちた。

彼を見れば見るほど彼の素敵な部分を見つけてしまう。愛らしい顔付きは母性本能をくすぐるし、少し短めの手足も可愛らしいものだ。

そこから麻里は彼を自分のものにしたいと真剣に思った。



健太は優柔不断な性格のせいで一目惚れの彼女に声を掛けられずにいた。
そんな中で忘年会の締めのビンゴ大会が始まってしまった。
ビンゴ大会が終わると忘年会も終わってしまう。
このままではもどかしい気持ちのままで新年を迎えなければならなくなってしまう。

うじうじと考えているうちに、健太のビンゴカードがリーチになった。
ビンゴゲームの景品は、
1位:お米6キロ
2位:マッサージ機
3位:ワイン2本
4位:ぬいぐるみ
5位:インスタントラーメン5個
以下は安っぽい生活用品等になっている。

正直な所健太は、近くにいる彼女に緊張していてビンゴゲームどころではなかった。



麻里も彼がすぐ近くにいて、胸が高鳴っていた。
手を伸ばせば届く程に近くにいる彼。
どうしても彼が欲しい。
番号の発表があり、ビンゴしたらしい人がワインを嬉しそうに受け取っていた。
そんな麻里のビンゴカードもリーチだった。



  次の番号は~……

進行役の若い男がマイクを持って番号の発表をにやにやしながら焦らしている。


  15!


健太のカードがビンゴになった。
だが健太はあまり嬉しくなかった。なにせ男が貰っても嬉しくない、ぬいぐるみだからだ。
どうせならマッサージ機とかワインが良かったのにと思いながら景品を受け取りに行く。
その途中に、微笑みを浮かべながら健太を見ている彼女と目があった。

だが結局健太は一目惚れの彼女に話し掛ける事は出来なかった。



麻里はどうしても彼を諦めきれなかった。
先程目があった時も、やはり彼の目は綺麗だった。このまま帰ってしまっては負けな気がした。

  あの……すみません

麻里はおもいきって、背中に向かって声をかけた。



健太はかなりびっくりした。
まさか一目惚れの彼女の方から自分に声をかけてくれるとは夢にも思わなかった。
健太はとりあえず、平静を装って、なんですか? と言った。
すると彼女は顔を真っ赤にしてこう言った。





  そ、そのぬいぐるみ下さいませんか? どうしても欲しかったんです。一目惚れだったんです!


健太は二度目の恋におちた。
作品名:一目惚れ 作家名:えりまきとかげ