きっぷ
とびはねながら君が僕に叫ぶ。
ねぇすごいんだよ!
見たい?
いつもと同じ調子で、もったいぶってなかなか見せてくれない君。
「別にいいよ」
と言ってそっぽを向いてみた。
君にちょっとした意地悪を。
すると君は、
ねぇ、見てよぉ……
泣き出しそうな顔をした。
「仕方ないなぁ……見せて下さい」
素直でよろしい。
そういって見せてくれた一枚の切符。
君は数字の所を指差しながら、
ほら2012だよ!
「ほんとだ。今年ももうすぐ終わりだね。あ、それとこれ……」
”01”
……まぁ無いわけじゃないからよしとしよう。
近付き始めたばかりの二人の距離ということで。