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MuV-LuV 一羽の鴉

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横浜基地


※前章から時間がかなり進みます。本編の設定とは大きく食い違う設定が多々ありますので、宜しくお願いします。尚、伊隅ヴァルキリーズに所属する築地、高原、麻倉に関しては口調が分からないのでオリジナルで行かせてもらいます。

「シルバ少佐!シミュレーターの準備が出来ました!」

 つい最近建設された横浜基地内部を散歩していると後ろから俺を呼ぶ声が聞こえたので振り返る。

 長い廊下を走ってきているのは涼宮遥。優しく穏やかな女性だ。

 特殊任務部隊A-01の戦域管制を担当しており、階級は中尉。ポジションはCP将校となっている。俺もシミュレーションで何度か世話になっている。

「涼宮中尉か、走ると転ぶぞ?」

 俺がこの世界に来てから既に一年と言う年月が流れており、香月の元で働く特殊任務部隊の人員とは仲良くなっている。

 前の世界で傭兵として生きてきた俺だったが、思いのほか早く皆の中に溶け込む事が出来た。

 当然最初の頃は俺が一人浮いた存在となっていたが…まぁこの話は何時かするとしよう。

「こ、転びません!」

 俺の元まで走ってきた中尉は俺の言葉を聞くなり頬を赤く染め上げ、抗議の声を張り上げる。

「その言葉を聞いたのは何回目だったかな?涼宮中尉がこの廊下で転ぶのは最早名物と化している気がするんだが…」

 自分でもわざとらしい、と思うくらいの台詞を言ってしまう。

 昔ではこんな台詞は間違いなく言わなかっただろう。この世界に来てから俺は随分と変わったと思う。いい意味でも、悪い意味でも、だ。特殊任務部隊の人間は良い変化だと言ってくれるが…俺には分からない。

「少佐は本当に意地悪ですね…それでシミュレーターの方ですが」

「悪い悪い。そうだな、今直ぐにでも向かうとしよう」

 腕につけている時計の針は9時を指している。本日は09:30からシミュレーター訓練があるとは知っていたが…まさか涼宮中尉が迎えに来てくれるとはな。少し予想外だ。

 本当ならもう少し基地内部を歩いていたかったのだが…仕方がない。折角涼宮中尉が迎えに来てくれたのだから一緒に行くとしよう。

「そう言えば速瀬はどうだ?昨夜の訓練で俺に負けて暴れていただろう?」

 シミュレーターが置いてある格納庫の方に涼宮中尉と歩きながら、ふと昨夜の事を思い出す。

 速瀬中尉と言う特殊任務部隊の副隊長の女性がいるのだが…負けず嫌いなのかどうも俺に突っかかってくる。

 当然俺が戦術機のシミュレーターが負ける事はないのだが、それでも速瀬は俺に勝負を挑む。既に何戦しているのかも、何勝したのかも覚えていない程だ。

 まぁ速瀬のやる気が他の奴らにも伝わり、御蔭で全員の技術は上がっている。

 そう言う意味では速瀬のやる気は助かるのだが…何時も相手をする俺としては勘弁して欲しい。

「フフッ。今日こそは、って意気込んでいましたよ」

 小さく微笑みながらそう教えてくれた涼宮の言葉に思わず眉間を抑えてしまうのは仕方のない事だと思う。

「まぁその御蔭でお前らが成長してくれるのなら俺も嬉しい事だ。その事には速瀬に感謝しないとな」

「…はい。美月にもそう伝えておきます」

 俺の言葉に少しだけ頬を染める涼宮。何か照れるような事を言っただろうか?

 …まぁその事よりもだ。

「速瀬に言うのは止めろ。何を言われるか分かったもんじゃない」

「善処しておきます」

 一応階級は俺の方が高いんだが…。

 と言ってもこんな軽いやりとりは既になれた事だ。今更こういった態度を取られてもなんとも思わない。どころか俺は特殊任務部隊の人間には何回も助けられている。正直頭が上がらないのは俺でもある。涼宮達はそう思っていないようだが。

「ったく…」

 この後行われるシミュレーター訓練の内容を涼宮から聞きながら、俺と涼宮は格納庫の方へと急いだ。

ーーーーー
ーーーー
ーーー
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「シルバ少佐!遅い!」

 格納庫に到着するや否や俺の耳に届く女性の怒鳴り声。

 声のした方に目を向けてみれば既にプラグスーツに着替えた速瀬の姿が。

 先程も言ったが同じ特殊任務部隊の人間であり、階級は中尉、ポジションは突撃前衛長。

 最初の一声で分かると思うが、非常に豪快で明るい性格をしており、かく言う俺も速瀬には助けられていると思う。

「速瀬!シルバ少佐になんていう態度を!」

 そんな速瀬に怒声を飛ばしているのは最初の頃に出会った赤髪の伊隅大尉だ。

 特殊任務部隊。別名伊隅ヴァルキリーズの部隊長だ。

 階級は大尉、ポジションは迎撃後衛。A小隊小隊長を務めている。

 冷静な性格をしており、どんな場面でも的確な指示を出してくれる。そんな面に反して部下の面倒見も非常に良い。皆からも慕われている。

「伊隅大尉。別に構わないと言っているだろう?」

「ッハ!ですが…」

 このやり取りも何回もしているやり取りだ。

 彼女は規則に厳しい人間なので中々理解してくれない。特殊任務部隊の中ではそこまで規則に五月蝿くないのだが、俺に対する態度はしっかりとしてくれている。少佐という彼女達より上の立場である事が一番の原因だと思う。

 何故俺が少佐なのかは分からないが、香月曰く「階級が高い方が動きやすいでしょ?それにあんたには色々働いてもらうから」との事。

 確かに少佐という階級の御蔭で不自由はしていないが…伊隅のように皆俺の前では固くなるために嬉しくない面もある。

 と言っても伊隅もそこまで固くなる訳じゃない。最初の頃は俺が皆の前に出るだけで敬礼してきたのだが、それも今では省いてもらっている。傭兵として生きてきた俺が敬礼などされると嫌な感じしかしないためだ。

「取り敢えずそちらに向かう。少しだけ待っててくれ。涼宮、先に行っておけ」

「はい。分かりました」

 涼宮がシミュレーターの方に向かった事を確認してから俺は反対側の方に足を運ぶ。

 流石に軍服姿のままやる訳にはいかない。

 一先ロッカーについた俺は軍服を脱ぎ、プラグスーツへと着替える。傍らにはAC搭乗時に着るスーツもあるが、シミュレーターの時は使わない。
 
 取り敢えずプラグスーツにも着替えたので、皆が待っているシミュレーターの方へと向かう事にした。
 
「悪い、待たせたな」

 実際シミュレーター訓練の開始時刻は09:30なので遅れた訳ではないが、形だけでもそう言っておく。

「いえ、謝るのは此方の方です。予定よりも早く来てもらったのは此方の我が儘ですので」

 伊隅の言葉に疑問を覚える。

 ん?此方の我が儘?…と言う事は。

 何となく涼宮が俺を早くに迎えに来た理由が分かり、速瀬の方へと視線を向ける。

 すると速瀬は肩を少しだけ跳ね上がらせ、俺からわざとらしく視線をずらす。

「速瀬」

「ん、ん?」

 誰が聞いても動揺していると丸分かりの声だ。

「またお前か」

「ぅ…。だ、だってシミュレーター訓練が始まるまで暇なんですよ!」

 速瀬の言い訳にため息を零す。

 速瀬は腕っ節はいいのだが、頭が悪い。勉強ができない、とかの頭が悪いの意味ではなく、物事の考え方の頭が悪いの意味だ。
作品名:MuV-LuV 一羽の鴉 作家名:コロン