荒唐無稽も慣れてみると・・・
癌が又沸いてきたらしい
主治医から図入りの説明を父子で聞いた
翌日
「昨日、俺の居ないとこで医者と話してたなぁ・・・
俺に聞かせられん話をしとったんだろう?」
「家族だから一緒に聞くために父さんを待ってただけだよ」
娘は、猜疑心の強い父親の言動に辟易している
認知症からくる瞬間の歪み
2~3分、あれやこれや猜疑の言葉を吐き続ける事に、
娘は少し慣れてきた・・・
娘は、ただひたすら黙り続けて聞き流している
親としては、最低だけれど、年寄りには規律正しい時間に食事を用意しようと、
手早く父親のために作る
支度できた事を伝えて一言・・・
「じゃぁねぇ おやすみぃ~」
とっとと自室に篭る
娘は父親に嫌悪する気持ちが湧く事に戸惑いながら、それが何なのか
探り続けている
作品名:荒唐無稽も慣れてみると・・・ 作家名:ぱーる