『引きこもり』
「いいだろ、俺の勝手じゃないか」
「そう言うなよ。俺が困るんだって」
「関係ないね」
「頼む、この通り! 一生のお願いだから」
「それ、もう今月で二度目だぜ?」
「それ位切羽詰ってるんだって。いいから頼むよ、お願い!」
「……しょうがねえなぁ、後でラーメンDIEで細切れチャーシューマシマシな」
「OKOK、任せてくれ。何なら大盛りもつけるぜ」
「大盛りはなぁ……次の日めんどくせえんだよな」
「そういやお前胃腸弱かったな。大喰らいの癖に」
「うるせー」
「……おい、いつまでぶつぶつやってやがる! 大体お前この状況が――」
銃をつきつけながら、大男が苛立ったように言う。
男はそれには応えず、拳銃を向けると大男が引き金を引く前に自身のそれを引いた。
……乾いた音が一つ。
大男は驚いた顔のまま眉間に穴を開けると、ぐらりと倒れた。
「……すんませんね、ちょっとこいつは引きこもりなもんで」