小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

日常

INDEX|1ページ/1ページ|

 
「いや、ほんと、お前にはいつも驚かされてばかりだ」                 担任のその一言に俺は思わず言い返していた                      「何だよ結崎、おれだって別に好きでこんな点取ったんじゃないっつの」        「それでもこの点数は無いだろう」そう言いながら結崎は俺の目の前にテスト用紙をつきつけてきて、そこには赤ペンで、10の数字が書かれていた。
「学年でお前だけだぞこんなに低い点取るのは、他の教科ではそこそこ良い点とってんのに、俺のテストだけこんな点取りやがって・・こりゃ何のいじめだ?」
そう言いながら苦い顔をする結崎に対して俺はすねたように、つぶやき
「知るかよ・・」
「とにかく、このままじゃ俺の査定にひびくからなお前には今日から再試までみっちり補習授業を受けてもらう」
「はぁ!?嘘だろ、再試までまだ一週間もあるぞ」
「諦めろ、これは決定事項だ、わかったらさっさと教室に戻って準備してろ、俺も職員会議が終わったらすぐに行く」
「わかったよ、まってりゃいいんだろまってりゃ」
どなるように言葉を吐き出し職員室から出た俺は、
「二人きりで一週間も・・・・よし、計画どうり」
小さな笑みを浮かべて嬉しそうにつぶやき、教室へ向かい廊下を歩いて行った。

教室に着き席に座って結崎を待つ間、手持ち無沙汰になり、ふと、結崎と初めて会った時の事を思い出していた。
あれはそう、中学二年の夏休みの頃だった、あの頃はまさに思春期真っ盛りといった感じで、何にでも反発する事がカッコいい事だと勘違いしていて・・今思うとすごく恥ずかしい奴だった、その日も何人かの友達とゲーセンに繰り出し、夜遅くまで遊びほうけ十時を過ぎた頃、仲間と別れ、人気の無い路地を一人家に帰っていた。
「だからさ~・・」
「なにそれ~うけるわ~・・」
路地の奥から切れ切れに聞こえてきた声に興味を引かれたおれは、たむろした高校生の集団を見つけ、少しちゅうちょしながら、足早に脇を通り抜けようとした。
「そこのがき、ちょっと待てよ」
集団の一人に声をかけられ、俺はその場に凍りついた。
「何々、マ~クンどったの?」
「いや、そこのガキが、俺らに挨拶もなしに通ろうとしやがったから」
「ぼく~ここを通るには俺らの許可がいるんでちゅよ~?」
止まっている間に取り囲まれてしまい、俺は睨むように前を向いていたが、足は小刻みに震えていた。
















作品名:日常 作家名:眠菟