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甜茶no言葉遊びし短編(したい)ね

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一月一日 晴れ

今日は元旦。「一年の計は…?」と親父に聞かれた。
そんなのはわからないよ。だって世の中どんどん変わっていくんだから。
だけど答えないと親父が不機嫌になる。
「えーっと、月三万で一年の計は三十六万円の家賃です」と答えた僕の頭上に雷は落ちた。
小言を始めた親父の今年初のお言葉「いちいち言われんでもやれるようになりなさい」
ふてくされた態度をとった僕だったが、今年もよろしくと心は思った。


二月二日 晴れ

今日は、寒い日だ。雪が降った。
「明日は節分よ」と母に言われた。
だから何だというのだろう。そうか庭を掃いておけということか。
きっと豆まきの豆が拾いやすいようにして欲しいのだろう。
僕は庭の両端に雪をこんもり盛り上げた。
「明日の為に雪分したよ」呆れた母の顔が窓から覗いた。


三月三日 晴れ

今日はひなまつり。妹の雛人形が座敷に飾られている。
「桃の節句だからね」とお祖母ちゃんが微笑んだ。
何だか可愛らしい。そうだよ、お祖母ちゃんも女の子なんだね。
僕はお祖母ちゃんを喜ばせたくなって小銭を握りしめて家を出た。
買いに行く途中に小枝に桃色の花が咲いていた。そのひと枝を頂戴した。
雛壇の横に飾った花を見て「おや、もう梅が咲いたんだね」とお祖母ちゃん。
「これは…桃のショック」お祖母ちゃんは何となく笑った。


四月四日 晴れ

何も無い日。無理やりにでも書くことを見つけよう。
「女の節句と男の節句の間の月だからおかまの日だな」と友人が言った。
そうか、こじつけでもけっこう書くことができるじゃないか。
僕は街に出かけた。春物の服を買いに行く。見つからない。サイズがない。
けっきょく買わずに帰った。財布には、まだお金が残っている。
「あ、新発売の……。ウッシッシ。今なら買えるぞ」幸せ(四合わせ)の日だった。


五月五日 晴れ

こどもの日。なんでこどもなんだ。
単語・タンゴ・団子……端午の節句って男子の健やかな成長を祝うってあるぞ。
今日の昼飯は、ちまきとかしわ餅だった。おふくろ、買い過ぎだっちゅうの!
夕飯のあと「菖蒲の節句らしく菖蒲湯よ。冷めないうちに入っちゃって」と騒ぐ母。
一番風呂を与えられたものの…湯船がら立ち上がる湯気は尋常ではないぞ。
「あ…(この間二秒半)っちぃー!!」これが男の試練か…。
今夜『勝負湯に浸かる』ケツが真っ赤だぜ。


六月六日 晴れ

この日は雨のはずだ。まだまだ可愛さ残る幼き日、書いたじゃないか絵描き歌。
『6がつ6かに あめざあざあふってきて……』
そうか、これから降ってくるんだなと傘を片手に出かけた。
なんだよ。街行く人の視線が痛いぞ。そのうち降ってくるんだぞ…たぶん。
頭上に水滴を感じた。肩にも…。僕はほくそ笑んで傘を広げた。
(ほらね!)だが空は何処までも青いぞ。
傘を傾げて見上げた途端、傘の端に何か当たった。「ん?」ドシャーと大量の水が。
「いやあーごめんなさーい」綺麗そうなお姉さんが上から叫んだ。
なんでこんなものが落ちてくる…僕は落ちてきたものを見て笑うしかなかった。
「なべぶた ハ……」


七月七日 晴れ

七夕だ。まだまだ可愛さ残る幼き日、書いたじゃないか短冊に願い事。
書きたことなど何も叶っていないぞ。書いた言葉すら忘れてしまった。
サンタへのお願い事より超難題だ。
まあ一本の笹竹にあれだけたくさんくっついてりゃ、当選確率は低いのも納得。
でも僕は夕方からデートだ。『七夕まつりに行きませんか』とメールが届いた。
『彼女ができますとように』と適当に書いたあるサイトの短冊カキコミを見たらしい。
まさに「たなぼた」。結果は後日談で…行ってきます。

ただいま…素敵な女性だった。僕よりもいやおふくろよりも人生長―い織姫だった。


八月八日 晴れ

何でもできちゃう語呂合わせ。
『パチパチ』弾く音からそろばんの日か。習っていたな。
『はは(母)』『パパ』『はちはち(ははちち母父)』両親の日ってさ。
そんなこと気にもしてないおやじとおふくろはありがたい。
はははははははは はははははははは はははははははは はははははははは 
はははははははは はははははははは はははははははは はははははははは
これだけ笑えば、今年も楽しくなるだろう。
な!と急に母に振ったら 無視された。
八 かける 八 は無情にも「母 無視」 六四 とはね。
今夜も蒸し暑い……。


九月九日 晴れ

菊の節句。どうしてなんだとまず思う僕は普通なのか、世間知らずか…。
「九九の日じゃなの」って聞いたら「九九は9×9だけじゃないでしょ」と笑われた。
そっかーっと思い直して「きゅうきゅう……お!救急の日」と語呂合わせ。
そうだ。せっかくだから 今日の出来事
僕の乗る電車は、通勤、通学ラッシュの真っ只中!
乗り込んだはいいが キュウキュウ詰めの状態だ。暑さで く、苦しいってなったのか
次の駅で 救急車のお世話になった人が出た。九組級長の九重君だった。
よし書けたぞ。


十月十日 晴れ

何だか気抜けするなー。どうして体育の日じゃなくなったんだろう。
少しもスペシャルな月曜日にはならないよ。
目の愛護デー。
語呂合わせから文字の絵になって眉・目・眉・目…そのくせ眉の日にはならない。
気の毒なやつだ。おー顔文字になると情けないぞー 『 (十 十) 』
数字で書いて1010。おー『銭湯の日』か。
ヤツでも誘ってみるかってもう遅いじゃん。ひとり突っ込みも最近増えた。(汗)
おっと、焼肉ジュウジュウ。こりゃ旨そうだ。なに?そんなのはないらしい。
悩みに悩んで とうとう日付が替わってしまったよ。ありゃありゃ…。


十一月十一日 晴れ

あーはあ……。思い出す。最悪な通信簿。せめてアヒルになれば…。
でも化学は少し良かったぞ。『十一』見て「うん『電池の日』なかなかだ」と感心できた。
プラスとマイナスならかっこいい。
数字の1を並べて1111 絵を想像するだけでは面白みにかけるのではないか。
おっと、今日の僕はいいねー。お菓子でも何とかの日なんて作ってたな。
ああそういえば、隣の何チャラが、お菓子をくわえて,くっついたって言ってた。
…ってそれって…チューかな。羨ましいぞ。来年こそそんなことしてみたいぞ。
いいないいなーと思いながら……。


十二月十二日 晴れ

とうとう、十二ヶ月記述してみたけど、今月は何も思いつかない。
今晩のおかずは、豆腐だった。ん?豆腐!そうだ 豆腐だ。豆腐!
いつもなら、物足りない気がしている豆腐が、凄く特別に感じるよ。
ああー良かった。このまま今年が終わったらどうしようかと思った。
テレビでその年の世相を象徴する「今年を表現する漢字」のニュースを見た。
『いい じ いち じ』の語呂合わせで漢字の日だってさ。
ま、待て待て、みんなさらっと流しているが 11212になるじゃないか!
それなら、僕みたいな内向的なボーイの日にしてくれよ。
『いじいじ』ってな…笑。
そうだよ。今年の締めは『笑う門には福来る』これっきゃないか……。

来年も笑おうぜ!!って鬼が笑った!?

     ― はやめの 結 ―