甜茶no言葉遊びにおいで
【一本の電話】
その電話は固定電話でした。
電子音のベルが部屋に響きました。
「はい」
お母さんが電話を取りました。
「お待ちください」
息子と電話を代わりました。
「もしもし。あっ、ちょっと待ってて」
息子が相手を待たせ、家族に呼びかけます。
「おい、電話から離れてくれよ。盗み聞きしたら承知しないぞ!」
息子の声が変わった。どうやら彼女からのようです。
「もしもし、お待たせ・・・・・・」
にこやかの笑い声とよそいきの声が続いた。
この家の電話は、長い竹のように一本に繋がっていた。
※『あるわけない電話の話』
作品名:甜茶no言葉遊びにおいで 作家名:甜茶