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【ポカホンタス】

通じるはずのない言葉だった。
だが運命の出逢いに一瞬にして意気投合した。
生まれ育った環境や言葉の壁を越え、心で理解した。
寂しいもの同士、ときどき助け合った。

二匹は、「心の声」を聞き、「風の色」を知り、同じこの裏通りに住む犬と猫。
人目を盗み、日が落ちてからゴミ漁りを重ね、互いに理解を深めていった。
ある日、二人の前に店のゴミ出しに来た人間を目の当たりにした犬は、不覚にも
腰を抜かした。
「おまえかー、いつもゴミ箱を荒らす奴は！」
凄い剣幕で逃げようともがく犬の尾を掴むと包丁を持ち出した。
人間にとびかかる猫。二匹は、素早く路地に逃げ込んだ。
「サンキュー！シッポが、ホント助かったー」

※『（シッ）ポが、ホン（ト）助（かった）⇒ポカホンタス』ってことで。