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歌命の苑

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その声は綺麗に響いた。

その歌声は美しく響いた。


時は色音(しきね)時代

楽器などで音色を奏で、
色を楽しみ、音を楽しみ。

互いに競い、上達させてゆく。

この時代はその名の通り音楽の時代なのだから、、、、、。


少年は奏でていた。自分の体で。
少年は祈っていた。ひとつの命に。

その、少年の名は色声(シキセイ)苑(ソノ)



音命(おんめい)の一人だ。

彼はの音命は歌だ。
だから、歌命、
歌命(かめい)の苑(その)だ。


これは、そんな時代に生きる一人の少年の周りを描いた物語、、、。


この国は精霊と人間が共存している国

8種類の精霊が居る。

水の精・火の精
木の精・土の精
月の精・日の精
光の精・闇の精

精霊たちには名がない。精霊長(せいれいちょう)を除いて。

精霊長は、貴族の末裔としか契約をしない

凄い事だろう!




この国は神音(しんね)国
音楽の国だ。


神の名は”楽音(がくね)”

そんな国(ここ)にはある制度があった。
音命(おんめい)と呼ばれる制度だ。

音命とはこの国の聖職だ。

精霊魔法を使うことも許される。

それに選ばれた者達は、
ある時は学校に赴き音楽を教え、
又ある時は演奏会を開き人々に聞かせ
又ある時は魂が安らかに天に召せるよう音楽を奏でた。




そんな音命の中にも地位があった。

音命(おんめい)は奏でるものは違えど14人いる。

位は下から  赤(あか)様、橙(とう)様、黄(おう)様、緑(みどり)様、青(あお)様、藍(らん)様、紫(むらさき)様。

一つに2人づつ。
一色に一つのペア。

そしてそのペアはいつも一緒。
寝食を共にする。

そのペアは音の相性で、
神音(しんね)の国の神。楽音(がくね)に仕える巫女が決める。

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苑(その)のペアは静御(せいみ)あきら。
二人揃って”藍様(らんさま)”

身分は結構高いのである。




「僕は色声(しきせい)苑(その)って言います。よろしくお願いします。」

ぺこり

「俺は静御(せいみ)あきら。藍の音命でって、、、。苑もう少し自分のこと喋ったら?」

「えっと、、、。でも、、。その、、、、、。」

又始まった。極度の人見知り。

「分かった分かった。俺が苑の事紹介するわ。その代わり俺の紹介苑がしろよ。」

えっ

「うっ、、うん。」

「じゃあ苑についてな。名前は、、、、、いっか。

藍の音命で十四歳。音は歌。魔法の属性は 水・木・月・光の四つ。 すごいよな。二属性でもすごいのに。

性格は、一人で何でもしようとして、体弱いくせにギリギリまで頑張って後で倒れる。  お陰で俺は

看護士並に病人の世話手馴れてるんだぜ。

それに、何だろうな、、ほっとくと危なっかしいっていうか、、。 守ってあげたくなるっていうか。

しかも極度の人知り。



父さんは医者、母さんはピアニストだったけど、二人とも事故で亡くなっている。

母方の祖父母は居なくて、父方の祖父は世界でもトップクラスの名家清華財閥社長。祖母は社長秘書。

つまり苑は清華財閥(せいかざいばつ)御曹司なんだ。

それに苑を溺愛している兄さんが居るんだ。名前は色声(しきせい)園(えん) 緑の音命。


にしてもどうなんだろうな。弟の方が地位が上なんて。」


「し、仕方ないじゃん。緑は共組(ともぐみ)で、暖組(だんぐみ)と冷組(れいぐみ)をつなぐ架
け橋で、そこには血縁者が居なくちゃで、、、。」

「落ち着け、落ち着け。言ってる事無茶苦茶になってるぞ。

つまりは 赤様(あかさま)・橙様(とうさま)・黄様(おうさま)が暖組。

青様(あおさま)・藍様(らんさま)・紫様(むらさきさま)が冷組。

そして、いざこざの起きやすい暖組と冷組の仲介役が共組(ともぐみ)の緑様(みどりさま)

その緑様っていうのは冷組か暖組に血縁者が居ないといけないんだ。

だから苑の兄さん園さんは緑様なんだ。

そう言いたかったんだろ。」


こくこく


素直だな


「あっ。話が変な方に行ってしまったな。まあいい俺のことは今度にしよう。」


「それでは」
「じゃあな」






「それじゃあ、こないだの続きな! 苑よろしく。」
あっ!
「はっ、はい。」 ええーっと。
「彼は静御あきら。藍の位で僕のパートナーで、えっと、神官様曰く”黒神(こくしん)に愛されし子”つまり火 日 土 闇 の精霊魔法が使えるということらしい。」

「苑、ちょっとストップ。苑についてだけど、同じく”神白(かみしろ)に愛されし子”だ。
つまり”白”に分けられるのが苑の使える精霊魔法、”黒”に分けられるのが俺の使える精霊魔法ってわけだ。前にも言ったがこの属性は2つでも凄いんだ。どんだけ凄いかっていうt「割り込んでこないでよ!」ごめん。いや悪かった。でも忘れている事があったら割り込むから。」

むーう。  ぷんっ。

「ごめんって。」 「わかったよ。許してあげる。あきらは忘れんぼさんだもんね。」
「はいはい。次いこう。」「もうっ!」
「性格は....んーっ...すっごく優しくて 明るくって 強いけど ちょっとぬけてて ちょっと頭悪くて ちょっと意地悪でs「だって苑の反応が面白いから。」うるさい!「はい。」ちょっと不器用。
親は....



親?
「孤児院みたいな所で育ったんだけれど、自称親戚のおじさん夫婦が引き取りにきて”一緒に住みましょう”って言ってくれたので今は一緒に暮らしている。」
「だそうです.....知らなかった。」
「当たり前だろ、教えて無かったんだからな。でも良くしてもらっているからいいんだ!」
「そう...なんだ。」
「実は家パン屋してるんだ。だけど人気が有るのはピザとマフィンって言うパン屋なんだ。変だろ。店の名前は[ライレントサン]だったっけ?」
「そこって十字路の端に建ってる?」
「そこそこ」
「有名なトコじゃん。マフィンが超一流の人にマフィンが認められたって。」
「俺知らない。」
なんであきらが知らないんだよ
「あっ...話がそれた。どこまでいったっけ。」
「親の事のとこまで。」
「そうだった。あと今の会話で分かる通り、あきらは自分に無頓着だよ。」
(何か大事な事を飛ばしてるような...)
「あーっ!あきらの音言い忘れてた。」
がくっっ
「まあそんな落ち込ま無いの。」
「忘れんぼのあきらに言われたくないから落ち込むんだよ。」
「.......(やっぱり素直で良いな。苑は。)」
「.......(あきらはまたちょっと意地悪。でもちゃんと構ってくれるからいいや。)」

............................。

「まあ、とにかく”琴命の静”って言われてる。ハープやたて琴があきらの音だから。」
「苑の、キレイで世界が止まって聞き惚れるような声と合わせると周りが静まる位美しいからな。   苑のもう一つの、天への歌。神々しい色の無い歌。世界中が澄んだ綺麗ないろになる。」
作品名:歌命の苑 作家名:帝乃 臣