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朝霧 玖美
朝霧 玖美
novelistID. 29631
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明けの明星のとなり

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今朝、コンビニにマンガを買いに出かけた。

時間は、5時半過ぎ。

東の空は赤く、朝焼けが光り、頭上には金星が眩しいくらいに光っていた。

空気は澄み、明るくなってきたせいで、星の光の強さだけが強調されていた。

そこから、少し右にも同じような明るさの星が見えた。

なんだろうなぁ……と思っていたら、スゥッと空に吸い込まれるように、

その灯りが消えた。

「え?」

そうしたら、消えたあたりで小さな光が2つほど動いていた。

よくみると、クルクル回転しているような気がする。

「えー、もしかしてUFO?」

この場合のUFOは、「空飛ぶ円盤」ではなく、なんだかわからないけど

飛んでいるものという意味。

「空飛ぶ円盤」だとしたら、なんだかわかっているわけで……。

実は高校生の時に葉巻型とアダムスキー型っぽいのを見たことある。

(たぶん、そうだと思う……飛行船かなぁ……)



なんだかわからない飛行物体は、結局ウロウロ飛んでいるうちに、

見えなくなってしまった。

南の空と西の空にも、眩しく光る星があった。


朝と夜の境目。

きっと何か不思議なことが起こるには、いい時間じゃないのかなと

冬の冷たい空気の中で思っていた。
作品名:明けの明星のとなり 作家名:朝霧 玖美