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もっとも愛しく最高のもの

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 いや今までなら、さく也が恋心を自覚した時点で、身体の関係まで進んでいる。言葉で上手く想いを伝えられないさく也の、それが『告白』だからだ。
――まさか、食うだけ食って、放置ってことはないだろうな?
 今回の相手は、通り過ぎて行った『彼ら』とは違う気がする。もやもやとしたものが胸に広がったが、悪い予感とはまた違う。
 さく也が宿泊するホテルの車寄せに入った。ロビーから出てくる彼の姿が見えたので、ドアを開けて中から手招きする。
 乗り込む際にりく也と目が合うと、さく也の口元が微かに笑んだ。その笑みが、先ほどからりく也の胸に広がっているものを払拭する。
 りく也はさく也の右目下の小さなほくろにさり気なく触れ、それから頬を一撫でした。彼の温もりが指先から伝わり、心がじんわりと暖められるようにりく也は感じた。
――しばらく様子を見て、おかしいようなら調べてみよう
 せっかくの、さく也との時間だ。りく也は不要な思考を頭から締め出した。
 運転手に行きつけのBarの住所を伝える。車はゆっくりと夜の中に動き出した。