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えりまきとかげ
えりまきとかげ
novelistID. 42963
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二人三脚

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急だったから私もびっくりしたの。
そう呟くあなたは必死に涙を堪えている。
強がらなくてもいいのに。目が真っ赤に腫れているからさ、さっきまで泣いてたって事バレてますよ。そんなあなたを見たら僕も泣けないじゃないですか。

あなた一人で全部抱え込むなんてズルいですよ。一人では辛くて進めなくても、
二人ならなんとかなるような気がしませんか?
弱いあなたと弱い僕。これからはこんなコンビで二人三脚。
支えるのが辛くなったら、僕とあなたを繋いでいる紐を切ってくださいね。
僕があなたを背負って走って見せますから。
その時は素直におぶさってくださいね。

何かにつけてあなたはあの人の代わりになりたがる。僕が望んでいるから?
いえいえ、僕が望んでいるのはあなたがいつまでもそのままでいてくれること。
無理をするなら怒りますよ。
「わがままばっかり言わないの」ってあなたは言いますけど、僕のわがままな所はきっとあなた似ですよ。

最近僕は嬉しいです。あなたはすっかり元気になって、
夜な夜な泣くことも無くなった。
全部知ってたんですよ?
僕が眠った後、あの人の写真を抱きながら静かに泣いていたのを。
それに気付いた時は僕も泣いてしまいましたけどね。
泣かないって決めてたんですけどね、仕方がありません。

ここで一つ言っておきます。
お母さん、ここまで僕を育てて下さり、ありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いします。
改めて言うのもなんだか恥ずかしいものですね。
そんなことは置いといて、
7回忌くらいは泣いてあげましょうよ。
作品名:二人三脚 作家名:えりまきとかげ