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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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銭の単位知っていますか?

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今はどこで買い物をしても円の単位であるが、昭和の20年代はまだ使われていたかもしれない銭と言う単位。例えば5円50銭とかである。そんなお金の単位が有る。耳では為替レートなどで聞くかもしれない。
今の子供は道端に1円が落ちていても拾う子はいないだろう。ところが私は犬の散歩などで見つけると必ず拾う。ケチだと思われるかもしれないが、私は以前に読んだ本の事が忘れられないのだ。
何の題名かは覚えていない。一人の位の高い武士が、馬に乗り川を渡った所、小銭を川に落とした、供の者に捜すように命じたところ
「小銭ですから良いでしょう」
と言った。
「何を申すか、これは国の損なのだ個人の事ではではない」
そう言って捜させた。
捜し出すと、落としたお金の何倍もの褒美を与えた。
大体の記憶です。何しろ高校生の時に読んだ記憶です。
たとえ一人が1円でもしまい忘れていれば日本の人口からして1億円以上になります。
流通していれば、それだけ豊かになるはずです。
1円を笑う者は1円に泣く
こんなことわざもあるのです。
私は自動車関係の仕事をしているのですが、その部品のなかには単価が、銭の単位の物が有るのです。ちりも積もれば山となる。それほど厳しいものです。コストダウンは本当に限界までの勝負となります。
以前私は画廊を経営していました。その時の販売価格は千円の位でした。
まさか流通していない単位で現在価格の交渉をするとは思いもしませんでした。
出来上がった自動車は100万円、200万円とするのですが、その部品は1円以下の単位で交渉され作られるものもあるのです。
それほどものづくりは厳しいです。断れば仕事が無くなる危険性もあります。従業員には少しでも給料を減らしたくありません。そこのかねあいも交渉の難しさです。
その時に1銭の単位まで気を使う事も有ります。
1粒の米を大切にした時代は終わって豊かになりましたが、でも、やはり落穂拾いの絵の様に、その気持ちは持ち続けたいものです。