異世界便り
彼女は誰なのだろう?
なぜこの教室の僕の後ろの席に座ったのだろう?
こんな問いをそれとなく考えていると、急にとてつもない睡魔に襲われた。
机に突っ伏せ、目を閉じる
すぐに意識をうしなった…
どれくらいの時間が立ったのだろう。
近くで聞き覚えのある声がする。
「私と君。お互いを理解するには人より多くの時間を必要とするのだ。この結論は我々教師陣としても、熟慮を重ねた上での苦渋の決断を踏まえたものであることを考慮して頂きたい。賢い君なら分かってくれるよね?」
ゆっくり目を開けると、白熱灯の目映い光が飛び込んできた。
あまりの明るさに、一瞬目を細める。
周りの状況を漠然と理解する。
どうやら僕は誰かと机を挟んで向かい合って座っているらしい。
まだ頭の奥に残る睡魔を振り切る様に首を回すと、それまで途切れなく続いていた向かいの声が止む。
「君は話を聞いているのか!」
今まで話していた声とは違う人が激しい口調で、僕を叱責したようだ。
ぼんやりとした意識の端で捉えたイメージは、怒髪点の人物を担任の村山と一致した。
数時間前の通告シーンを再現ようなの状況。
確か、僕は以前…教室にいて…
「君にはもう一年、この学校にいてもらう。これは決定した事で異論は認めれない。」
校長は穏やかに微笑んだ。
そして、
…沈黙。
僕は今日二度、留年を言い付けられた。この人たちは、僕はなんで同じ場面を繰り返しているのか?
さっきぶつけた脛の箇所が、ひどく痛みだした
気まずい空気から逃げるように、校長室を後にした